Column2|
生理痛は我慢しないで
生理痛に悩んでいませんか?
アンケート調査によると女性の3人に一人は、生理がつらいと感じています。生理痛の原因は、子宮内膜から分泌されるプロスタグランジン(PG)という物質が引き起こす、子宮筋の過剰収縮です。特に排卵後の子宮内膜は厚く、PGの産生量も多く、痛みも増強します。
排卵がない初経から数年は生理痛はなく、思春期になって排卵が始まると痛みが出現します。月経時に痛みがあるのは大人になってきた証拠ともいえます。しかしPG産生量や子宮筋の感受性には個人差があり、強烈な痛みのため日常生活に支障を来す程度になる人もいます。また子宮内膜症や子宮筋腫があるとさらに痛みは増強します。生理痛はほっておくと益々ひどくなります。
治療はPG産生を抑える非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)が第一選択で、痛みが強くなる前から服用し、月経終了まで定期的に内服します。骨盤の血のめぐりをよくする漢方薬の併用も有効です。
NSAIDsが無効の場合や消化器症状の副作用がある場合は経口避妊薬(OC:ピル)を使用します。OCは排卵を抑制し、子宮内膜の増殖をおさえ、PG産生を減少させることで生理痛を軽減させます。
低容量ピルが生理痛の治療に健康保険で投与できるようになり、治療の選択肢も増えました。生理痛は治せます。我慢しないで最寄りの医療機関にご相談することをお勧めします。