Column13|
更年期障害の治療(1)ホルモン療法は安全なの?
更年期障害の薬物治療費は
ホルモン補充療法、漢方療法、
向精神薬療法などがあり、
症状によって適切な薬剤を選択します。
ホルモン補充療法(HRT)は文字通り不足した女性ホルモン(エストロゲン)を補う治療法で、有効性が高く更年期障害の第一選択薬です。特にホットフラッシュ、発汗、不眠などの自律神経症状には有効で、骨粗鬆症の予防効果もあります。
HRTのリスクとして、乳がん・子宮内膜癌(子宮体がん)・血栓症の発症率が上昇することが指摘されています。乳がんについては、HRTを5年間続けた場合リスクは1.26倍(1万人中30人発症が38人に増加)に上昇しますが、喫煙による肺がん発症リスクが29倍であることに比べればはるかに低率で、フライドポテトやグレープフルーツを常食した場合のリスクと同程度とされます。
また子宮内膜癌のリスクは黄体ホルモンを併用することによってほとんど0にできます。現在では安全なHRTを行うためのガイドラインが作成され、ガイドラインに従って適応を検討します。
治療開始前には、血圧・体重測定、血液検査、婦人科がん検診、乳がん検診を行うことが勧められています。投与法には持続的投与と周期的投与法があり、薬剤も経口剤、経皮剤があり年齢、症状により使い分けます。治療をご希望の方は婦人科専門医にご相談ください。