TOPへ

コラム

Column15|
子宮内膜症ってどんな病気?

子宮内膜症は
悪性疾患ではありませんが、
経過が長く、
病状は徐々に進行するので
定期的な検診が必要です。

子宮内膜症とは子宮内膜(子宮の内側を裏打ちしている組織)と同様の組織が、卵巣、卵管、子宮表面、骨盤腹膜に発生する病気です。原因には諸説ありますが確定したものはありません。
内膜組織は女性ホルモンの作用で増殖、出血を繰り返し、炎症や周囲組織との癒着をおこします。そのため激しい月経痛や、月経以外でも下腹痛、腰痛、性交痛、排便痛などをおこします。また卵管にも病変が波及すると、30~40%の人が不妊症になります。
卵巣に内膜症が発生すると卵巣内部に血液がたまり、のう胞ができます(子宮内膜症性のう胞)。こののう胞は大きくなると破裂したり、稀に悪性化することがあります。
内診、エコー、MRI、血液検査(腫瘍マーカーCA125測定)等で診断します。治療は薬物療法と手術療法があります。薬物療法には鎮痛剤、漢方薬などで症状を和らげる対症療法と、内膜症そのものに働きかけるホルモン療法があります。
ホルモン療法には低用量ピル療法、偽妊娠療法(中用量ピル)、黄体ホルモン療法、偽閉経療法があり症状により使い分けます。子宮内膜症性のう胞や、卵管閉塞による不妊症の場合は手術療法(腹腔鏡下手術)が選択されます。
子宮内膜症は悪性疾患ではありませんが、経過が長く、病状は徐々に進行するので定期的な検診が必要です。月経痛が強い人は子宮内膜症の可能性がありますので婦人科専門医への受診をお勧めします。

ホルモン療法について