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コラム

Column17|
低容量ピルは安全なの?

安全性については
OCの長期服用で
死亡率に変化がない、
あるいはむしろ低くなることが
証明されています。

避妊法にはコンドーム、避妊リング、避妊手術など様々な方法がありますが、低用量経口避妊薬(OC)は避妊効果、安全性について最も優れた方法です。安全性についてはOCの長期服用で死亡率に変化がない、あるいはむしろ低くなることが証明されています。
ホルモン剤と癌の関連を心配する人が多いのですが、OCは乳がんのリスクを増加させず、卵巣癌、子宮体癌のリスクはむしろ50%減少させます。またOCには月経症状(過多月経、月経痛)の改善という避妊以外の副効用もあり、その効果を目的に使用する場合は健康保険の適応になります(ただし適応薬剤は2種類のみ)。
一方、重大な合併症として静脈血栓塞栓症のリスク増加(10万人に15~25例程度)があり喫煙者ではさらに心筋梗塞のリスクも増大します。
副作用として内服開始当初は吐き気などの消化器症状や不正出血がありますが、内服を継続するうちになくなります。また「ピルを飲むと太る」という思い込みがありますがそのような事実がないことも証明されています。OC処方に際してはまず問診で禁忌がないことを確認することが必要です。
ヘビースモーカー(1日15本以上)、高血圧症、心房細動、血栓性素因、乳がん、肝障害などある場合は避妊リングなど他の避妊法をお勧めします。また授乳中は原則禁忌となっていますが、WHOの基準によれば6カ月以降は可となっています。OCご希望の方は婦人科専門医にご相談下さい。