Column22|
避妊リング(IUD)について
避妊リングとは?
避妊リング(子宮内避妊具:IUD)は避妊の目的で子宮内に装着する器具で、受精卵の子宮内膜への着床を阻害することで避妊効果を得る避妊法です。当院ではノバT380(銅付加IUD)、ミレーナ(黄体ホルモン放出型IUD)の2種類があります。 IUDは一度装着すれば長期間避妊できるメリットがありますが、デメリットもあります。他の避妊法とよく比較検討してIUDの装着をお決めください。
1)IUDの避妊効果は
100%ではありません。
1000人の女性が1年間使用して妊娠する可能性が6~8人程度あります。 ミレーナは1000人に1名程度の割合と避妊効果が高くなります。
2)IUDの装着に
適さない方がいます。
①妊娠の疑いがある
②子宮筋腫や子宮奇形があり子宮内が変形している
③子宮がんの疑いがあるとき など
3)IUDの有害事象
①重大な副作用としては、骨盤腹膜炎(0.8%)子宮外妊娠(0.2%)、子宮穿孔(0.1%)が起こり得ます。
②装着時または除去時に迷走神経反射のため気分不快、徐脈、まれに失神が起こることがあります。てんかんの方はてんかん発作が誘発されることがあります。
③挿入後数日間は少量の出血、軽度の下腹痛があります。
④装着後最初の月経時に自然脱出することがあります。
⑤装着後に月経過多、月経痛が増強することがあります。
5)定期検診
装着後は初回月経後、1か月後、3か月後、6か月後、1年後、またその後も1年に1回は検診を受けてください。
6)IUDの交換
長期間装着したままにすると避妊効果が低下し、また抜去が困難になることがあるので3年(ミレーナは5年)で交換します。
7)IUDの除去(有料)
脱出の兆候が見られるとき、異常出血・腹痛があるとき、感染兆候があるとき、その他医師が除去を必要と認めた時はIUDを除去します。