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コラム

Column26|
高濃度乳房と乳房超音波検査について

乳房は乳腺組織と脂肪組織から構成され、乳腺実質内に脂肪の混在がほとんどないものを高濃度乳房と呼びます。きわめて高濃度の乳房は乳がんになりやすい傾向があると言われます。マンモグラフィーでは乳腺は白く、脂肪は黒く写るので高濃度乳房ではほとんど真っ白に見えます。乳がんも白く写るので雪の中の白兎を探すような困難さがあり病変検出率が下がることが世界的な問題になっています。一方、乳房超音波検査は石灰化検出に関してはマンモグラフィーに劣りますが、高濃度乳房でも精度が低下せず乳がん検診への導入が期待されています。

近年、超音波検査による乳がん検診の有効性を検証する大規模な比較試験(J-START)が日本で実施され、マンモグラフィーと超音波検査の併用の有用性が証明されました。2つの検査法にはそれぞれ長所欠点がありお互いの欠点を補完できる関係にあるわけです。特に40代の高濃度乳房には2つの検査の併用が推奨されます。

当院では横浜市乳がん検診時に超音波検査(自費)も実施可能です。検査ご希望の方は乳がん検診予約の際にお申しで下さい。