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更年期障害

更年期障害とは

更年期障害とは閉経を迎える前後5年、計10年間を更年期と言います。更年期は、女性ホルモンバランスが大きく揺らぎながら変動し、ホルモン分泌量が減少していきます。女性ホルモン分泌量低下によって、心身の症状が現れることを更年期症状と言います。また、心身の症状によって日常生活に影響を及ぼす状態を更年期障害とされます。
更年期の女性は社会的責任がある立場であることも多く、その他お子様の自立と親の介護など大きくライフステージが変動する時期です。
日常生活にまで支障が出る程の更年期症状にお悩みの方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

更年期障害の症状

自律神経系

自律神経のバランスが乱れることで、のぼせや突然の発汗、ホットフラッシュ、冷え、便秘、下痢、肩こり、頭痛、食欲不振など様々な症状が現れます。

精神神経系

抑うつ症状、不安、落ち込み、イライラ感、睡眠障害などが起こります。
感情のコントロールが難しく、気分がコロコロと変わりやすいなどの症状も起こります。

セルフチェック

セルフチェック更年期症状は軽度のうちに受診、適切な処置を行うことで楽に更年期を過ごせます。また、更年期は様々な疾患を発症するリスクも高くなる時期です。更年期症状が更年期によるものか、何らかの疾患が隠れていないかを検査することも大切です。
最近心身の調子が悪いと感じている方は、まず下記のセルフチェックをしてみてください。

簡易更年期指数(SMI
チェック

症状の度合いを4段階にして点数を割り出します。「強・中・弱・無」のうち、ご自身の症状についてご判断ください。
複数症状がある場合は、そのうち1番強いとされる点数をご記入ください。

 
1)顔がほてる 10 6 3 0
2)汗をかきやすい 10 6 3 0
3)腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0
4)息切れ、動悸がする 12 8 4 0
5)寝つきが悪い、または眠りが浅い 14 9 5 0
6)怒りやすく、すぐイライラする 12 8 4 0
7)くよくよしたり、憂うつになることがある 7 5 3 0
8)頭痛、めまい、吐き気がよくある 7 5 3 0
9)疲れやすい 7 4 2 0
10)肩こり、腰痛、手足の痛みがある 7 5 3

0

上記項目の点数を合計して、以下の自己採点評価と照らし合わせます。

自己採点評価の数値

0~25点 特別な問題はありません。ただし、閉経後の骨粗鬆症や脂質異常症の発症リスクは点数に関係なくあります。定期的に検査を受けて、予防しましょう。
26~50点 少し問題があります。生活習慣を見直し、食事や運動などに注意しましょう。骨粗鬆症・脂質異常症のリスク低減を図りましょう。
51~65点 一度婦人科を受診されることをお勧めします。症状をさらに悪化させることがないよう、疾患リスクにおけるケアを開始してください。
66~80点 更年期障害の辛い症状を緩和するためにも、なるべく早めに受診してください。
81~100点 重い更年期障害があります。疾患が原因の場合もあるため、一度医療機関を受診してください。

更年期障害の治療

更年期障害の治療更年期障害は、ホルモン補充療法をはじめ、対症療法やエクオール、漢方薬治療、サプリメントなど幅広く選択できます。また、健康保険適用で治療が可能です。更年期障害でお悩みの方は、一度当院までご相談ください。

HRT(ホルモン補充療法)

女性ホルモンを補充する治療方法です。大きく揺らぎながら変動する女性ホルモンを補充し、苦痛症状の緩和を図ります。
内服薬の他にもパッチ、塗布薬などを処方しております。

漢方療法

更年期症状の様々な症状について有効な処方があります。漢方薬は長い歴史の中で培われた薬、エキス剤です。
辛い症状を緩和し緩やかに体質改善できます。

その他

不安などの抑うつ症状、睡眠障害、胃腸症状などの苦痛症状を解消するための対症療法もご提案しております。

更年期に気を付けたい病気

更年期は、更年期障害だけではなく、様々な疾患を発症するリスクが高くなる時期です。また、閉経を迎えることで大幅に疾患リスクが高まります。
更年期の辛い症状を緩和し、さらに将来の疾患発症リスクを軽減するためにも、更年期でのケアは非常に大切です。
更年期に気を付けたい病気は、以下の通りです。

高血圧・脂質異常症

閉経を迎えると、高血圧や脂質異常症の発症リスクが大きく高まります。女性ホルモンは、通常血管をしなやかに維持する役割を担っていて、内臓脂肪分解も促します。閉経するとこれらの女性ホルモンの分泌が減少するため、動脈硬化が急激に進みやすくなるほか、高血圧や脂質異常症の進行が速まるとされています。また、脳梗塞や心筋梗塞など深刻な疾患を発症するリスクも上がってしまいます。

骨粗鬆症

女性ホルモンは骨代謝バランスと骨量を正常に保ちます。更年期で閉経を迎えると、女性ホルモンが大幅に減少し、骨が脆くなり骨粗鬆症になりやすくなります。閉経による骨量は年間約2%も減少するとも言われています。このため、更年期を迎えたら、骨粗鬆症を予防するために骨密度測定を行うほか、食事や運動などを心がけることが大切です。

その他の病気

更年期におけるその他の病気としては、ドライアイやドライマウスなどです。加齢によって皮膚や粘膜が乾燥しやすいほか、膣も乾きやすくなるため感染症リスクが高まります。
また、腸内の蠕動運動機能も低下するため、便秘や下痢を起こしやすくなります。さらに、骨盤臓器脱や尿漏れも起こりやすくなるため、出産回数が多い方などは早めのケアをお勧めしております。